魔羅太郎と黒光りZの旅#21

こんにちは!魔羅太郎です!

自然信仰の原点。志賀高原・笠ヶ岳山頂、佐野神社奥宮。

 

前回、縄文時代に広範囲に信仰の対象とされていた「アラハバキ神」についてお話ししました。

では、この「アラハバキ」の語源から、この神の正体に触れてみたいとおもいます。

まず、「アラハバキ」というコトバ。
「古事記」にも「日本書紀」にも出てきませんが、縄文時代から広く信仰されていた。
両史書に出てくる「神」の名前とは明らかに言語的に系統がちがう「響き」です。

現時点では色々な説がありますが、それらをちょっと紹介します。

出雲族が入って来る前から、日本海山陰側に存在した、伯耆国(ほうきのくに)があります。

この国も、縄文時代に、大陸や半島と交易をして栄えていた日本海ルートの1国で、鉄器の輸入、
初歩的な製鉄を営んでいたとかんがえられています。

前回もふれましたが、ホウキは「ハバキ」が転訛したものです。前にも言いましたが、「カガ」は蛇で、
「カガ」と「ハバ」も転訛で同じ蛇を表しています。さらに「ハバ」が転訛すると「ヘビ」。

お馴染み、スサノオ。

 

スサノオがヤマタノオロチの退治に使った剣の名前は「天羽々斬剣(あめのはばきりのつるぎ)」。
「ハバ切り」ですよね。「ハバ」=「ヘビ」の証明です。

スサノオが退治した「ヤマタノオロチ」と「はばきのくに」=「ほうきのくに」の関係性から、スサノオが持ち込んだ
大陸由来の「先進製鉄技術」によって、まとめられ、懐柔された国々のひとつが「ハバキノクニ」であった。
スサノオ以前に生活と文化の向上に寄与し、神とされていた説。

では「ハバキ」や、「大和言葉」の「ハハ(蛇)」の語源は何でしょう?語源を辿ればさらに神の正体に近づくことができます。

神代文字(縄文文字)は、ペトログリフ(ペトログラフ)は岩や石に刻まれた、もしくは描かれた文字のことを言います。

神代のペトログリフ。

 

シュメール文明初期の文字が日本のペトログリフに関連性ありとされる。

サンカ文字も縄文時代と関係が深いとされる。

 

ハワイやイースター島にも残されていて、日本で見つかるものとよく似ています。これも縄文時代の広い海洋航路を示唆するものです。

このペトログリフは正式に日本の古代文字(書き文字)に認定されていませんが、
近年、世界最古のシュメール(スメル)文明の文字と酷似していることは、世界の考古学界では常識なんですよ。

なぜ、近年まで知られていなかったかと言うと、これらの文字が残されていた場所の多くが「神社」などの
「禁足地」(きんそくち)にあったからなんです。

奥の大岩が御神体。手前の碑に神代文字。

巨石信仰。

 

「禁足地」とは一般に「入っては行けない場所」。奈良県の大神神社(おおみわじんじゃ)の三輪山(みわやま)や、
沖縄の「御嶽(うたき)」が有名ですが、全国の神社にもけっこう「禁足地」はあります。

神様のいる場所、降りる「神奈備(かんなび)」が「禁足地」となりますが、そこにある「石」などに「神代文字」が刻まれていることが多いんです。

自然信仰。

この「石」は縄文時代の「自然信仰」で「御神体」や神の宿る「神奈備」とされたものです。神社の本殿や境内は飛鳥や平安に作られたもので、
縄文の神様はあれらの建物には居ません。象徴なんですね。

そもそも、古代信仰は偶像崇拝はしません。「偶像」っていうのは「神の姿を型どったもの」でいまでも
「神道」である神社には拝殿の中に何にも無いですよね。

『鏡』の御神体。

 

せいぜい「鏡」とか。「鏡」である理由は、「己の姿を映すもの」で「自らの中にあるもの」を「内観」する意味で「神」とするとか…
ちょっと難解な話になってしまいましたね‪w。

また、「太陽信仰」から太陽光を反射する、祭祀の道具としての「銅鏡」が元である説。

そして、前にもいった「鏡(カガミ)」。
出ました「カガ」=「ヘビ」と「太陽信仰」の融合。

巨木信仰。神殿は、はじめ祠(ほこら)のようなものでした。

 

恵みである「山」や「海」、「川」を信仰したり、さらに大きな「太陽」、「星」、「光」や「火」が「神」であった時代。
それらが「蛇」や「鳥」に見立てられ、やがて「神の姿」を造形できるようになると、人々は「神」に「人格」を見出します。
そして、政治が絡むと「人」を「神」とするようになったんです。

「偶像崇拝」をすることで、自然に対する「感謝」や「恐れ」、「尊敬」という信仰の本来の意味が「違うもの」になってしまうことを先人は知っていたんでしょうね。

ちなみに、「偶像」は英語で「idol(アイドル)」です。まあ、いいです。

また、脱線しました‪w。

「神代文字」にもどりますと、「禁足地」にあったせいで、発見が遅れ、研究がされなかったんです。逆に「禁足地」にあったからこそ、守られてきたとも言えます。

「神代文字」と酷似する「シュメール語」=「スメル語」。

このスメル語でヘビのことを「ハハ」と言うんです。「アラ」は獅子のことで、やはり尊称です。「キ」は神のことで、
「アラ・ハハ・キ」とは獅子とヘビの神。もしくは「偉大なヘビの神」となります。

また、世界初の鉄器使用の民族とされているヒッタイト族。この鉄により広域にアジアを席巻した民族は鉄のことを「ハバルキ」と呼んでいました。
やはり、メソポタミア文明圏です。
「アラ」は古代ヤマト言葉でも尊称のひとつですので、鉄の神そのものを表したコトバが「アラハバキ」となったかも知れません。

そうなると、スサノオ以前にいた製鉄を知る民族は、その製鉄に関して、古代中東由来の民族と関係があった可能性があります。

 

新しく、その地に無いものって、生まれた国のコトバで呼ばれますよね。ウィスキーやワイン、コカ・コーラやコーヒー、ぜんぶ外来語。
初めて鉄が入ってきた時、鉄はどう呼ばれたのか、ヒッタイトのコトバ、「ハバルキ」だったんでしょうか?

何度も言うように、古代人の海洋ネットワークを侮ることはできません。現代人は、国境やパスポートなど、外国への入国を特別なものと考えがちです。
しかし、古代ではたどり着きさえすれば「上陸」は難しいことではありません。

明治政府以降の日本人単一民族、純血民族なんて、戦争のために国をまとめる方便にすぎないことを、知らなくてはいけません。常識は都合よく作られるものです。

さて、メソポタミア地域からもたらされた製鉄が存在した、縄文時代の後期に、スサノオが来日します。

スサノオが、どんなことをして当時の人々に「神!」って思われたんでしょうか!

つづきますっ!

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