こんにちは!魔羅太郎です!
今回は、魔羅太郎的理想の小型車についてお話します(__)
みなさんはKPスターレットをご存知でしょうか?
正式には『KP61』スターレットですね。
80年代に、乗用車がつぎつぎにFF化していく中で、
最後の小型ハッチバックFRとなった名車です。
1.3ℓ、シングルカム4K-U型エンジン搭載、驚くほどの馬力は
出ていませんが、730キロという車重と、短いホイールベースから
くるくると回るようにコーナリングする車です。
運転好きにはこのうえなく楽しい車でしたが、オーバーステアからスピンに転じる小型FRは、
一般的には危険視され、メーカー側も生産効率からFF化が進んだわけです。
今となってはFFばかり、残ったFRですら、日本車の場合はアンダーステアに設定されています。
BMWのようなニュートラルステア、つまりオーバーステア気味な設定では
メーカーは責任をとれない、つまり消費者を信用していないということです。
しかしその姿勢が自動車メーカーとして正しいか間違っているかではなく、
自己責任で楽しさを選ぶか、設定で安全を担保するか、というメーカー側の
ものづくりの理念に関わる話です。
実際にメルセデスベンツが、安全に関して自動車界をリードしているのは、
自動車を世に送り出した責任感もありますが、第一に人間を信用していないからだという話は有名です。
ベンツの哲学とも言えます。
ハナシは逸れましたが、軽量で実用的なハッチバックでFR、小型車だからFRでスリップアングルがつけば、
くるくる回るようにステアする、そんな車が魔羅太郎にとっての理想の車です。
イタリアのアバルトの車はどれも小型で、運転が楽しそうです。
70年代後半、フィアット131ラリー・アバルトなんか、子供のころプラモも作りましたが、FRの小型セダンで、
日本車でいうとランサーターボ(ランエボの前のやつ)とか、四角い形のセダンが
ドリフトしながらコーナリングする姿、サイコーです。
アバルトは戦後から、フィアット500ベースをベースにレースに参戦し、名を上げたチューナーです。
フィアットに買収されてからは、フィアットのラリー部門を担当し、フィアットではアバルト、
アルファロメオではアウトデルタ、ランチアではHFとして名を変えてサポートしていますが、
すべてアバルトなんです。
小型車小排気量車が、より排気量の大きいスポーツカーをまくる様子は、小型力士が大横綱に土をつけるようなもの、
つくづくクルマは軽いに限るとういうわけです。
さて、こんなアバルトが既存のガソリン車ではできなかったパッケージングで車を作るとしたら、
どんな車になるでしょうか。想像するだけでワクワクします。
ハッチバック型の車体に、大型車並みの居住スペースを与えることが出来ます。
通常フロントエンジン・リア駆動(FR)では、リアタイヤを駆動するために、フロントエンジンから車体の真ん中を
プロペラシャフトが通ることになります。
このプロペラシャフトが室内のスペースを削り、車重を重くし(スポーツFRの高級車はプロペラシャフト
をカーボンにしているくらいです)、組み立て効率、材料コストを圧迫します。
これがないので、FFミニバンは低床化できるのですが、仕事車ハイエースがFRにこだわるのは、
積載時トラクションがかかるからです。バスやトラックも同じです。FFの大型ミニバンは運動物理学でいえば
理にかなわないものです。人が乗って重くなるほどに、フロントは浮きますから、トラクションがかからない。
日産エルグランドはFRで頑張ってましたが、消費者は『広い』方を選ぶので、仕方なく低床FF化してしまいましたね。
電動化し、エンジンがなくなるだけで、こういったパッケージングがもっと自由になる時代が来ます。
そして、エンジンのないフロントボンネットの下には、十分なアーム長を持ったマルチリンクサスを入れれば、
スーパースポーツに負けないサスペンションを持った、FR小型実用ハッチバックのできあがり、
モーターはゼロ発進から最大トルクを発揮しますから、ダッシュは強烈ですよ。
モーター出力のプログラムと、コーナリングの味付けをアバルトに任せて、出来上がりです。
ホンダのBEV・HONDA-Eは床下バッテリー、リアミッドに駆動モーターを積む、リア駆動車です。
リアに重量のあるモーターを搭載してトラクションを稼いでいます。フィアット初代500や、
ワーゲンビートル、ポルシェと同じ、ですね。このようなパッケージングの車が実在していますが、
さらにクルマ好きが喜ぶような車はできないものでしょうか。
自動運転に向かう流れは止められないかもしれませんが、運転の面白さもメーカーには忘れて欲しくないものです。
つづきますっ!
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