冷たい夜風が肌をなぞる中、真奈美は暗がりの路地を歩いていた。ハイヒールの音がコツコツと響き、街の喧騒とは別の世界に迷い込んだような錯覚を覚える。
彼女の細い腰には、小さな銀の鈴がついたTバックが隠れていた。それは特別な約束の証——信哉と交わした、誰にも言えない秘密だった。
***
その日、真奈美はいつものように高級ラウンジのVIPルームで接客していた。煙草の煙がゆるやかに揺れる中、信哉が現れた。
「約束のもの、持ってきた?」
低く響く声に、真奈美は微笑んで頷いた。信哉の指先が、真奈美の腰のあたりにそっと触れる。鈴がかすかに鳴り、信哉の目が細められた。
「いい子だ」
信哉は満足そうにグラスを傾けた。その音と、真奈美のTバックについた鈴の音が重なり、静かな部屋に甘く響いた。
それはただのアクセサリーではなかった。真奈美が信哉にだけ許した証。どこにいても、真奈美が信哉のものであると知らせるための合図。
夜の街に響く鈴の音は、真奈美の鼓動のようだった。誰にも気づかれずに、でも確かにそこにある。
今夜もまた、真奈美は鈴を鳴らしながら、信哉のもとへ向かっていく——。
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