こんにちは!魔羅太郎です!
みなさんは、フランスのスポーツカー、
アルピーヌを知ってますか?
フランスは、F1やル・マンでは、ルノーやプジョー、
ラリーでは、シトロエンが有名ですね。
フランス車には、ドイツや、英国、イタリアなど高級車がない
ので(エットーレ・ブガッティがりありますが、戦前のメーカーで
量産メーカーだったことも無いのでここでは除外します)、
自動車大国というイメージはないと思いますが、
モータースポーツが大好きな国です。
車を作ったのはドイツ人ですが、クルマを現在の仕組みに
育て上げたのは、フランスのルノーです。
この、ルノーと関係の深い、チューニングメーカーがアルピーヌ
であり、イタリアのフィアットとアバルトの関係に似ています。
最近もルノーF1から、アルピーヌF1に名称変更したり、
新型アルピーヌA110が発売されました。
ルノーはアルピーヌをスポーツ部門として
再ブランディングしているようです。
初代アルピーヌは1962年に発表されたA110(厳密には1955年
A106)で、まだオンロード4WDが無かった、時代にトラクションのかかりやすい
リアエンジン-リアドライブというパッケージングで雪上ラリーのモンテカルロラリー
で、優勝しています。
非力ですが、車重の軽さと優れたトラクションが雪上では有利に働きました。
モンテカルロでは、FFではあるもののやはり軽量でトラクションのいいMINIクーパーも
同様の理由でみごと優勝しています。
雪上=低路面μ(ミュー)、つまり摩擦係数の低い条件で、クルマの
本質は試されます。通常路面で起こる、スリップやスピン、制動距離
トラクション性能などが、雪上では半分のスピードで起こります。
車重が重ければその分、慣性力は大きくなり、
動き始めも遅くなり、止まるのにも倍の距離が必要になります。
タイヤを太くしても、摩擦係数には限界値があるので、雪上で
滑ることには変わりありません。
これは、クルマの運動性能の話をしているので、スタッドレスタイヤなら
滑らないという話とは違います。
スタッドレスは通常路面にはない雪を噛むことで摩擦係数を
上げています。それでも通常路面で、同じサイズのタイヤのグリップには
適いません。自動車の運動バランスの話をしています。
色々な理由で、現代のクルマは肥大化していますが、
どんな技術でも、物理の壁を越えることはできません。電子制御は
物理法則の中で、トルクを絞ったり、制動距離を伸ばして安定を
とったりしているだけなんです。
同じ条件なら、軽いのが一番に決まっています。
レース専用車を見れば、分かります。
ポルシェやフェラーリ、ランボルギーニなどグレード展開が複数ありますが、
『軽い』ほど『値段が高い』、上位モデル、高級モデルほど、軽量モデルなんです。
逆に高級車は、この慣性力を利用して車重を重くすることはあります。
運動性を犠牲にして、乗り心地を優先しているんです。
何が言いたいかというと、アルピーヌ、アバルト、マクラーレン、ロータスなど
レースが生んだメーカーは、軽さを絶対の価値に置いています。
高級車のメルセデスですが、そのスポーツモデルに『SL』と名付けています。
『SL』はイツ語で軽量スポーツカーを意味する「Sport Leicht」の頭文字、
英語でいえば、『Sports Light』、軽いスポーツカーという名を誇らしげに掲げています。
こと、スポーツカーに関しては、軽さにまさる正義はないんです。
軽いから、サスペンションを固めなくても破綻しない。乗り心地を犠牲にせずに、
ロールもちゃんとするクルマになります。
軽いから、ブレーキも小さくできる、ブレーキが小さくなればバネ下重量が軽減できる。
バネ下の軽量化は、バネ上の軽量化の4倍の効果があると言われています。
アルピーヌやロータスはこういうことが最初から盛り込まれたクルマを作ります。
フェラーリやポルシェは、『軽量化ビジネス』に価値があると分かっていますので、
徐々に軽いモデルを出してきます。
これから電動化が進み、バッテリーの性能が上がり、バッテリーがより軽量化されれば、
重量物をFRだの、ミッドシップだの言わずに済みますし、間違いなくクルマ自体が軽量に
なりますので、エンジン車にはない別の運転感覚を楽しめるかもしれません。
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