魔羅太郎と黒光りZの旅 コンセプトカー編#34

こんにちは!
魔羅太郎です!

 

先日、ランボルギーニがV10モデル『ウラカン』の後継モデルに
『走行中にキャンバー角・トー角を連続可変させる』システムを
搭載予定という記事を読みました。

テストの初期段階で、ニュルブルクリンクを5秒(!)速く
走れるそうです、、

クルマの前から見た時のタイヤの角度がキャンバー角です。
上から見たときのタイヤの角度がトー角です。

これまでは、クルマの性格・ディメンションに合わせて、妥協するしかなかったのですが、AI制御によって、あらゆる環境下で、より理想に近いアライメントを実現することが可能に。

 

クルマの動きに合わせて、荷重がかかったサスペンションは
サスペンションアームの付け根を支点にして、弧を描くように
動きます、、

弧を描くように動くので、タイヤの接地面は常に変化しますね、、
この動きによって変化する、路面とタイヤの垂直方向の角度を、
予め最適化しておく=キャンバー角になります。

トー角は車の直進性や、曲がりやすさに関係していて、
クルマの前方に向かって角度が閉じていれば、直進性重視。
開いていれば、コーナリング重視となります。
ホイールベースが短いクルマでも、トーを強めることで、
直進安定性を増すことができます。

ストラトスは、ホイールベース2180mm、トレッドF:1430mm/R:1460mm トレッド比(ホイールベース値をトレッド値で割った比率)は、1.52

峠最強といわれたホンダ・CR-X。ホイールベース2200mm、トレッドはF:1400mm/R:1415mmで、ホイールベース・トレッド比は、1.53で、ランチア・ストラトスとほとんど同じ(ストラトスは、ホイールベース2180mm、トレッドF:1430mm/R:1460mm)。FFなので、タックインを利用した走りは、下りでは最速でした。

『ホイールベースは、2シーターに割り切ることで86よりも100mm短い2,470mmを実現しています。 それにより、ホイールベースとトレッドの比は1.55という、他の量産スポーツカーと比較してもトップレベルの小さい数値を達成しており、優れた回頭性に寄与しています。』とスペック説明にあるように、ストラトスのトレッド比1.52は操安性でいうとギリギリのレベルです。

 

後輪のトー角を連続的に変更するのが、4WSのような
システムでこれは80年代のプレリュードや、スカイラインの
ハイキャスなどがこれにあたり、現在はポルシェやフェラーリも
最新のシステムで採用しています。

ホイールベースが長ければ、ロングストレートで有利ですが、
コーナリングで曲がりにくい、、、
このように相反する特性を、オンデマンドにいいとこどりできる
システムが現在のクルマの新規開発モデルですね。

インジェクションの燃料噴射量の制御、ヘッドカムの回転数に応じた
プロファイル変更、最近ではエンジンのピストンを可変化して、
可変圧縮比なんてのもありますね、全部、相反する物理特性を
自動制御で可変化して良いトコ取りする技術です。

さきほどお話しした、可変キャンバーはかつて、F1で使われていた
アクティブサスペンションと同様の技術だと思いますが、いよいよ
市販モデルで実用化されることになりました。

サーキットでは、おなじコースを周回するだけですので、
どのコーナーでは何度みたいにプログラムさせておけば、
よかったのですが、どこを走るか分からない市販車では、
これまでの演算方式では、実用的ではなかったのでしょう、、
ここ最近のAI技術の進化、コストダウンが実用システムを
現実にしたんですね。

このように、スポーツカーのような走りにコストをかける商品には、ダンパー・
スプリングレート制御、4輪トルク制御、4輪アライメント制御(トー・キャンバー)、
舵角制御、ベクタリング、など、あらゆる制御が入っていますね、、
これによって、いままでは長所を伸ばすために、犠牲にしなければならない
部分が少なからずあったものですが、市街地での乗り心地、直進性、
回頭性を高水準でバランスできるようになりました。

かつて、イタリアの名門、ランチャはWRC(ワールドラリーカー選手権)で
勝つために、トレッド(左右タイヤ全幅)とホイールベース(前後のタイヤ位置の距離)
がほぼ同じ、正方形に近い車体の四隅にタイヤを配置したような
クルマ=ストラトスを開発しました。

コーナリング性能を突き詰めた結果、トレッドとホイールベースを
ほぼスクエアにしたんです。さらにミッドシップ化してヨーの中心軸を
車体中央寄りにして、コーナリングヨーに全振りした結果、曲がるけれども
簡単にスピンする、上手い人が乗ればよく曲がるが、そうでないと簡単に
スピンアウトしてしまうクルマになりました。

現在の技術では、性能を突き詰めた結果、なにかを犠牲にする
という我慢をしなくていいようになりました。スクエアに設計しても、
簡単にスピンしない、直進性も犠牲にしないクルマができるということです。

 

今回は、特に車種を特定せずに、コンセプトデザインを生成してみましたが、
ホイールベースをランチャ・ストラトスと同じにしています。見るからに運動性の
高そうなプロポーションになりました。トヨタのMR2とか、こんな風に作ってくれたら
いいですよね、、国内需要があるかは分からないですが、世界的には需要はあると思います。

ストラトスと同等のホイールベース値でつくったイラストです。フィアットX1-9やトヨタMR-2がこんな感じでリメイクされたらいいですね、、

 

丁度、MR2が二代目になったとき、かなりスピンしやすい設定で、保険の
金額がやばかったらしいです。イヤーモデルごとに熟成していったようですが、
最終的には安定方向に振りすぎて、ミッドシップにした意味がなくなってしまいました。

市街地でもハンドリングが楽しいミッドシップ商品は、いろんな意味で難しいとおもいます。
いまなら、物理的にはコマのように回るミッドシップでも、制御の力で
安全を担保できるのではないでしょうか、、

つづきますっ!

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