魔羅太郎と黒光りZの旅 コンセプトカー編10

こんにちは! 魔羅太郎です!

 

今回は過去回で、ラフスケッチをご紹介した、
フェラーリ・デイトナ風コンセプトを、より具体的なデザイン画に
してみました。

ミウラが出る前まで、フェラーリはフロントV12が当たり前でした。

その車のコンセプトは、フェラーリが純電動車=BEVをつくったら、
どんなクルマになるかっていうものでした。

前の回で制作したコンセプトです。今回はこれを細部まで作り込んでみました。

フェラーリといえば、やっぱりV12気筒エンジン、
しかし、ヨーロッパ自動車メーカーの多くが2025~30年までには
ラインナップの90%を電動化すると宣言しています。

V12気筒エンジン.トランスミッションまで含めるとでかいですね!これだけの機械の塊が、燃料を爆発させながら精密に作動しているかと思うと、立派な工芸品というか、芸術品と言えますね。 ただ、この性能がモーターになると、よりシンプルな機構で実現可能です。

欧米の自動車メーカーというより、ビジネスの政治的な側面、
かけひきなどを考慮した場合に、この宣言を額面通り受け取れるかは
怪しいところでもあります。

実際に、電動化することでバッテリーの廃棄問題もありますし、
なによりバッテリーを製造するときにより大量のCO²を輩出してしまいます。

この環境を配慮しているかに見える電動化の流れは、経済活動の促進、
つまりは目新しい商品をならべて需要を促すだけのものであり、むしろ現状よりCO²排出量、
環境廃棄物の問題などを進めてしまうものにすぎないかもしれないのです。

製品としての自動車が、1㏄のCO²を出さなかったとしても、生産に関わる部分では
ガソリン車より環境問題に与えるダメージが大きければ、本末転倒になります。

ハナシが逸れましたが、おそらく最後までエンジンにこだわるであろう
メーカーのひとつ、フェラーリが電動化するとなると、どういうクルマに
なるんでしょうか?

そもそも、フェラーリをはじめ、高級車、高級スポーツカーメーカーが、
こだわるV12気筒ガソリンエンジンの価値とはなんでしょう。

それはズバリ、機械的な完全バランスのエンジンだからです。

通常レシプロ・エンジンは上下方向の運動を『クランク』を使って回転運動に変える
という構造です。(レシプロに対してロータリー型などがあります)

このクランク運動はクランクシャフトが偏心しているため、回転するたびに軸がズレているため、
振動が出ます。振動はエンジン自身の機械的トラブルの要因、乗り心地、高回転への障害など、
あっていいことはありません。
(一部のバイクなどでは、単気筒や二気筒などで『鼓動感』として楽しむこともあります。)

エンジンは構造的に振動するものですが、カウンターウエイトや、カウンターシャフトなどで、
振動を打ち消す工夫をしたりします。どちらも振動を無くす代わりに、エンジンの効率を
落としてしまします。エンジンの動力の一部が食われたり、フリクションロスの増加につながるからです。

ところが、直列6気筒エンジンは360°回転するクランクシャフトが各位相で、
振動を打ち消してくれるので理論上は完全バランスとなります。
直列6気筒を60°で連結したのがV12気筒エンジンです、直列6気と同様に理論上完全バランスとなります。

V12気筒エンジンを上からみた透視図です。シリンダーの位置から、完全バランスが分かると思います。 1シリンダーあたり4バルブ、さらに細かい補器類が調和しています。

12気筒化することで、同じ排気量なら1シリンダーあたりのピストンが小さくなるので高回転化したり、
より滑らかに回すことができます。しかし、駆動部品が多くなったり、フリクションロスが増えたり、
設計はもちろん、組み立て精度が高くないと、V12は成立しません。
ピアノを調律するように組んで、はじめて精密機械のようなエンジンになります。

この究極の内燃機関エンジンは、高級サルーンから、ハイパーカーまで幅広く搭載されます。
しっとりとスルスルと回るロールスのエンジンから、歓喜の叫びとよばれるフェラーリ、ランボルギーニまで、
設計の違いはありますが、静と動、ここまで全く別の役割を演じることができるのはV12だけです。
まさに内燃機関の最終形です。

さて、もうお分かりだと思いますが、このV12が極めた性能が、まさにモーターの特性なんです。
クルマの生みの親、ダイムラーベンツも、ポルシェ博士も電動自動車を諦めて、ガソリンエンジンを
動力に選びました。100年以上前のお話しです、バッテリーの性能がお話にならなかったんです。

エンジンはモーターほどに回転数が上がらないので、トランスミッションで増速しなければいけません。!
また、モーターはゼロスタートから最大トルクですが、内燃機関は最大トルクが出るまで回転上昇を待たなければ
いけません。エンジンが誕生し百数十年、技術で洗練された性能は、モーターが最初からもっていたものでした。

とはいえ、複雑は機構と精密な工作、組み立ては、機械式時計のように
価値のあるものです。精密部品が作動する音や吸気音、排気音、もはやノスタルジーかもしれませんが、
やはり高級な機械式時計のように、文化として残っていくのかもしれません。

 

怒涛のトルクとレスポンス、次世代EVスポーツ

上のコンセプトスケッチをAIで生成した画像です。ところどころ、魔羅太郎がデジタルツールで作り直しています。

 

この、マラネロのコンセプトも、フロントミッドに連結式マルチモーターを搭載、敢えてドライブシャフトで後輪をメインに駆動。
あえて、クラシックな動力伝達の間をつくります。これによって、フェンダーより、ミッドシップなみに低いボンネット高でありながら、
ER的ロングノーズショートデッキに機能的な意味が生まれます。一方で前輪もインホイールモーターで補助駆動。
運転を破城させないように介入します。後輪操舵も組み合わせて純粋な運転の楽しさを抽出したようなクルマを妄想しました。

サーキット走行も当然のように視野に入れているメーカーですから、大出力のバッテリー冷却技術、制御技術が必要です。
これは、一般道においても、一回の充電で他のメーカーより長距離走行が可能な技術となるはずです。
2025から30年の間に、どんなクルマが出てくるか楽しみですね。

つづきますっ!

 

 

 

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