魔羅太郎と黒光りZの旅 コンセプトカー編#18

こんにちは!魔羅太郎です!

 

アメリカを代表するモンスター、シェルビー・コブラ

 

1960年代、速い車を作るにはどうすればよいか、、?
軽量な車体に、大トルクのエンジンを搭載すればいい!
という単純な理由で、制作されたわけではないでしょうが、
『1960年代初頭、キャロル・シェルビー氏はエンジンの供給に困っていた
英国ACカーズに対し、米国フォードのエンジンを供給するかわりに、ACカーズから
ボディとフレームを供給させ、そのクルマを全米のフォード店舗でも販売するともちかけた。
こうして完成した英米合作のスーパースポーツカーがオリジナルのコブラで、
1963年から70年頃にかけて生産された。』
・・ということです。

今回は、ACエースをもとに製作された、日米合作のモンスター、
ACコブラです。

イギリスのACエース。ド派手はフェンダーが無いと上品佇まい。

 

ACはスポーツカーですから、エンジンの供給元に困っていたのというのは、
正確には、『マルチシリンダー大排気量で、信頼性のあるエンジンの』供給元を
探していたということでしょう。

ただの直四では凡庸なスポーツカーにしかならない、
ビッグブロックのV8を積めば、とんでもないモンスターになる。
1100㎏ほどの車重に積まれているエンジンは、427Cubic Inches、V8ブロックで
約7000cc。60年代に400馬力オーバー、トルクが太すぎて、ドライブシャフトがねじ切れるとか、
シフトアップ中、3速までホイールスピンが止まらないなど、それらしい逸話があります。

レースでは空力的に不利なボディ、デイトナクーペに発展していく

 

いかにもアメリカらしい、豪快なスポーツカーというイメージが強いコブラですが、
シェルビーコブラの生みの親である、キャロル・シェルビーの人生もまた豪快でした。

もともと、アマチュア時代からレースに参戦していたシェルビーは、このころから
ヨーロッパ製スポーツカーのシャシーに、アメリカンV8を積んでレースに参加、その
可能性を感じていたようです。

プロレーサーになったシェルビーは1959年、ル・マン24時間で、アストンマーチンの
ワークスドライバーとして参戦、初出場でフェラーリを破り、総合優勝しました。

引退後、世界一速いスポーツカーを作る理念の元、『シェルビー・アメリカン』を設立。
そこで、冒頭のACカーズの計画と、シェルビーの思惑が重なって、コブラが誕生したわけです。

V8エンジン供給元はフォードで、国内でのライバルの一角であり、アメリカ最速を謳った、
シボレーコルベットに勝てる車が無く、国内レースでは負け続けていました。

ACエースのシャシー性能が高いことに確信を持っていた、シェルビーは、当時のフォード社長、
リー・アイアコッカに、エンジンを供給してくれれば、コルベットを越えるスポーツカーを作れる、と進言。
V8エンジンの供給をとりつけました。

デイトナ・コブラ。コブラに空力ボディとルーフを追加したモデル。

これこそ、FRスポーツの基本パッケージと言えるプロフィール。フロントガラスの付け根付近を『バルクヘッド』といいますが、このバルクヘッドからフロント車輪軸までの間に重量物であるエンジンが搭載されています。そして、前輪軸より前を『フロントオーバーハング』といいますが、ここは短ければ短いほど運動性はあがります。エンジンの次に重たいドライバーを後輪軸上にd切るだけ低く座らせます。後輪直前にドライバーのシートが来ています。リアオーバーハングも出来るだけ短い方が良いですが、仕方なく燃料タンク。ドライバーと燃料タンクの重さでリアの軸重=トラクションをかせぎます。

こうして開発・生産されたコブラはアメリカ国内レースで、コルベットに大差で勝利すると、
プライべートコンストラクターとして、ル・マン24時間に参戦、GTクラスでフェラーリを下し、
クラス優勝します。総合でも4位となり、フェラーリに勝った男はレース界で注目されるようになります。

フォードGT40

シェルビーとフォードがフェラーリに勝ったクルマ

 

いっぽう同年、フォードもヨーロッパに新工場を設立、ヨーロッパでのプロモーションのために、ル・マン24時間に
参戦。フェラーリ買収事件の一件でフェラーリにコケにされたこともあって、当時ル・マン常勝チームだった
フェラーリを打倒し、優勝、フォードの名をヨーロッパに知らしめようとしていました。

しかし、結果は11時間で参加車両全滅、完走も出来ませんでした。

プライベートコンストラクターである、シェルビーの活躍と、コブラのフォードエンジンの関係で、
フォードはシェルビーにフォードのオフィシャルチームを任せることになります。

2019年公開。マット・デイモンとクリスチャン・ベイル共演。車好き必見。

 

この戦いは2~3年前にも映画になりました、詳しくはそちらをどうぞ。

コブラ自体は、オリジナルよりも、派生車種、レプリカ、カスタムなど、なにがオリジナルかよくわかりませんが、
シェルビーの名を冠した、シェルビー・マスタング・コブラなど、アメリカを代表するレーシングカスタマーのアイコン
となっています。

 

タイヤのバランスにコブラのアイコン!

前後フェンダーや、フロント開口部、リア回りにコブラやデイトナのアイコンを意識した意匠が、、車体とタイヤプロファイルのバランスなどにもコブラっぽさがると思いますがいかがでしょう。

 

ヨーロッパ車にはない、埃っぽい、豪快なスポーツカー、、、そんなシェルビーには、ヨーロッパ勢のスーパーカーとはまた、
一味違うニューモデルを企画してほしいですね。

つづきますっ!

 

 

 

 

 

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